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春新作の【特別保存刀剣】長州藩初代藩主毛利秀就の時代に作刀された貴重な脇差長州藩抱え工佐渡守国富元喜作【長門・寛永頃】長州脇差、短刀

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販売価格：: ￥146880税込
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商品の詳細

■長州藩

長州藩は幕末まで長州萩に置かれていた。関ヶ原の戦いで敗れた毛利氏が防長二国に領地を削減され、長門国阿武郡萩に藩庁を置いて成立した。250年以上にわたり萩城を藩庁とし、明治初年まで長州藩と呼ばれていた。幕末期には薩摩藩と共に討幕運動の中心となり、明治維新を推進。吉田松陰、高杉晋作をはじめとする多くの重要人物を輩出し、明治政府の形成に大きく貢献した。

■寛永の出来事

寛永は、1624年から1644年までの20年間で、江戸時代初期に位置づけられる。この期間、徳川家光が将軍であり、日本は政治、経済、文化の面で顕著な発展を遂げた時代である。

〈日本〉

徳川幕府は権力中央集権化を目指し、多様な政策を実施した。その一環として、大名に対する「参勤交代」を通じて、大名の経済力と軍事力を抑制した。また、キリスト教の禁止と迫害を強化し、キリシタンは潜伏するか、厳しい迫害に直面した。経済面では、長崎を中心にオランダや中国との貿易が盛んになり、西洋の科学技術や文化が日本にもたらされた。寛永時代は日本文化の花開く時期でもあり、茶の湯、歌舞伎、浮世絵が人気を博し、江戸文化が確立された。学問面では、朱子学を中心とした儒学が幕府の支持を受け、多様な学問が盛んになり、西洋科学（蘭学）への関心も高まった。この時期は、寛永大地震（1627年）や寛永の大飢饉（1640年代初頭）といった自然災害に見舞われた時期でもあった。

〈長州藩〉

寛永時代の長州藩、別名毛利藩は江戸時代を通じて重要な大名であり、戦国時代の勢力を維持しつつ、江戸幕府の体制下で自らの地位を確立しようと努めた時期だった。毛利家は関ヶ原の戦いで西軍に付き、その結果、安芸と周防を中心に領地を持っていたが、大幅に減少した。その後、経済の安定と強化に向けた取り組みが進められた。徳川幕府の権威に従いながらも、独立性を保つことを目指し、幕府の政策に協力する一方で、藩内の統治や経済の強化に注力し、藩政の安定化を図った。農業生産の増加や領内経済の活性化を目指した改革が行われ、新田開発や治水工事が推進された。文化面では、儒学や武道などの学問・文化の振興に力を入れ、藩士の教育にも重点を置いた。外国船の来航が増えたため、長州藩は外交にも関わり、特に長崎での貿易で時折外交的な役割を果たした。さらに、幕府のキリシタン禁制政策に従い、キリシタンの取り締まりにも努めた。このように、長州藩は外交、文化振興、経済強化など多方面で活動しながら、幕府体制下での自藩の地位を確立し、独立性を保とうとした時期である。

■刀匠「国富」

長州藩抱え刀匠。初期に「長州萩住人源元喜作」「佐渡守国富元喜作」と銘を切る。その他「佐渡守藤原国富」「長門萩住源国富」など。「佐渡守国富元喜作」との銘は寛永頃（1624年から1644年）の作と考えられる。明治期には、国富の作を刀身として天皇の御下賜品(サーベル型軍刀)が作成・授与されている。

■「国富」に纏わるエピソード

池田屋事件の首謀者である肥後藩士宮部鼎蔵は、吉田松陰と共に東北を遊歴した。松陰は藩の許可無しに江戸を出発し、途中で海外密航の計画を宮部に明かしたが、宮部の説得にも関わらず、松陰は決意を変えず渡航を実行した。旅の最後には、宮部と松陰が刀を交換するエピソードがある。宮部は「吉田松陰略伝」に松陰の失敗と投獄を記し、その刀を松陰の弟子久坂玄瑞に贈った。久坂自刃後、刀は楫取素彦、そして松陰の妹である寿へと渡った。寿は1876年、新井領一郎に刀を渡し、「この品には兄の魂が込められているのです。その魂は兄の夢であった太平洋を越えることによってのみ、安らかに眠ることができるのです」と語った。その子孫であるハル・松方・ライシャワーは著書『絹と武士』で吉田松陰の刀について「国富という銘が入った美しいものであった」と記し、この刀が長州藩刀匠国富によるものである可能性があることを示唆した。

■本刀身の価値について

現代日本で日本刀の価値を認定するのは日本美術刀剣保存協会（日刀保）となっている。日刀保の基準では、江戸時代以前の正しい銘がある刀剣を「保存刀剣」と認定し、文化財としての価値を保証する。さらに品質や保存状態が優れるものは「特別保存刀剣」として認定し、その品質と状態を保証する。この商品は令和4年12月に「特別保存刀剣」と認定され、文化財としての価値や品質、保存状態が第三者機関によって保障されている。

■寸法

長さ: 50.90cm
反り: 0.55cm
目釘穴: 2個
元幅: 約2.82cm
元重: 約0.57cm
先幅: 約1.85cm
先重: 約0.39cm
中身の重さ: 約450g
種別: 脇差
銘文: 佐渡守国富元喜作

＝＝＝出品者コメント＝＝＝

・約400年以上前の古刀で、いくつかの小さな傷がありますが、実用には影響しません。具体的には、写真7のように刀身の一部に少しのスレがあり、写真8のように棟の一部には錆を取り除いた跡が見られます。また、写真9のように小さな鍛え疵があります。これらの傷は全体の美しさには影響せず、写真4〜7で見られるように、とても美しい刀です。

・この刀は、長州藩初代藩主の時代に製作された希少な名工の作品です。長州藩は多くの偉人を輩出し、日本の近代化に大きく貢献しました。そのような歴史的変革の証人であり、長州藩の精神とその時代の動きを象徴しています。美術的価値もさることながら、この刀の最大の魅力はその背後にある歴史的意義にあります。江戸初期から幕末の革新者たちまでの手によって扱われ、彼らの志を形作ったこの刀は、長州藩の遺産として、特別な価値を持つと思われます。この貴重な逸品を手にすることで、長州藩の歴史の一部を感じ取ることができるでしょう。